高流動コンクリートセグメント研究会
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実験報告書

1. 試験概要

2. 試験場所

3. 配合試験

3.1 目標性能と材料

3.2 使用材料

3.3 養生方法

3.4 試験結果

4. 打設試験

4.1 コンクリート試験

4.1.1 試験項目

4.1.2 コンクリート試験結果

4.2 コア強度の測定(試験体No.IV(高炉スラグ配合)で実施した)

4.3 外観状況観察および充填性確認

4.4 耐久性試験

4.4.1 試験項目および試験方法

4.4.2 耐久性試験結果

5. まとめ

1.試験概要

本打設試験は、大口径セグメントに高流動コンクリート(石灰石粉配合、高炉スラグ配合の2ケース)を使用した場合のコンクリートの諸性状を確認するため実施したものです。
実物大の型枠(外径10,000mm、桁高400mm)を使い高流動コンクリートを流し込み、作業性、充填性、外観、及びコア強度と供試体強度の差等を確認しました。

2.試験場所

試験は次の二箇所で実施しました。
(1) 工場名:佐栄建工株式会社
  所在地:群馬県邑楽郡板倉町大字大蔵5番地
(2) 工場名:石川島建材工業株式会社麻生工場(関東セグメント(株)麻生工場)
  所在地:茨城県行方市麻生3347番地1号

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3.配合試験

3.1 目標性能と材料

高流動コンクリートセグメントに要求される事項を鑑み、試験のコンクリートの目標性能を表−1に示すとおりとしました。

表−1 コンクリートの目標性能
スランプフロー 650±50mm
V漏斗流下時間 20秒以内
脱型時強度 コンクリート打設から17時間後で15N/mm2以上
材齢時強度(σ28)    設計基準強度48N/mm2(配合強度55N/mm2)   

3.2 使用材料

高流動コンクリートセグメントに使用する材料を表―2に示します。これらは、いずれも工場で入手可能な材料です。

表−2 使用材料一覧
使用材料
特  性
セメント 普通ポルトランドセメント 密度 3.16g/cm3
細骨材 葛生産石灰石砕砂 表乾密度 2.69g/cm3
粗骨材 田沼産玄武岩系砕石 表乾密度 2.75g/cm3
混和材
石灰石微粉末 密度 2.70g/cm3 比表面積 4000cm2/g
高炉スラグ微粉末 密度 2.90g/cm3 比表面積 4180cm2/g    
混和剤 高性能減水剤 NL8000S     ポリカルボン酸系

(注意)これらの物性値は、使用する材料に若干変動しますので、材料試験を実施しその品質を確認してください。

3.3 養生方法

コンクリートの養生方法は蒸気養生とし、その養生サイクルを図1に示します。

この蒸気養生サイクルは、コンクリート打設後養生温度を時間20℃の速度で40℃迄上昇し、4時間養生温度を40℃に保ちます。その後、時間20℃の速度で常温まで養生温度を下げ、コンクリート打設から17時間後までそのままの状態で放置した後に脱型するというものです。

脱型後の処理は、
(1)所定の期間水中養生を実施し、その後気中養生を行う場合
(2)製品同一養生(初めから気中養生を行う)の場合
の二通りの方法があります。
水中養生の場合は、3日間20±2℃の水槽で水中養生し、その後、材齢28日まで温度20±2℃、湿度60±5%の恒温恒湿室にて気中養生を実施します。製品同一養生の場合は、材齢28日までそのまま気中での養生を継続します。

図1

図1 蒸気養生サイクル

(注意)養生サイクルは、適用する工場の製造条件に合わせて変わる場合があります。

3.4 試験結果

試験により確認・決定した高流動コンクリートセグメント用石灰石粉配合、高炉スラグ配合を表−3、4に示します。

表−3 石灰石粉配合
水セメント比
W/C

(%)
単位粗骨材
絶対容積

(m3/m3)
水粉体
容積比

(%)
単位量 (kg/m3
  水  
W
普通セメント
C
細骨材
S
粗骨材
G
石灰石粉
Lp
減水剤
CA
35.0 0.281 97 175 500 924 773 60 4.00
表−4 高炉スラグ配合
水結合材比
W/(C+BF)


(%)
単位
粗骨材
絶対容積

(m3/m3)
水粉体
容積比


(%)
高炉スラグ
置換率
BF/(C+BF)

(%)
単位量 (kg/m3
  水  

W
普通
セメント
C
細骨材

S
粗骨材

G
高炉スラグ
微粉末
BF
減水剤

CA
32.1 0.290 97.1 50 165 257 954 798 257 4.11

(注意)これらの配合は、製造する工場、使用する材料が違うとコンクリートとしての物性・強度が異なりますので、適用工場ごとにあらかじめ試験練りにより確認する必要があります。

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4.打設試験

打設試験は、外径10,000mm、幅1,500mm、厚さ400mmのA型セグメント型枠で行い、石灰石粉配合1ピース、高炉スラグ配合をピース、計7ピースの打設を行いました。

4.1 コンクリート試験

4.1.1 試験項目

打設に先立ちコンクリートの各試験を実施しました。その項目および適用規格を、表−5に示します。

表−5 試験項目一覧
試験項目 適用規格
スランプフロ−試験 JIS A 1150 による
V漏斗流下時間 JSCE−F 512による
空気量試験 JSCE−F 513 による
コンクリート温度測定 棒状温度計にて測定する
コンクリート中の塩分試験     JIS A 5308 付属書5による        
圧縮強度試験 JIS A 1108 による

4.1.2 コンクリート試験結果

打設時のフレッシュコンクリート物性試験の結果を表―6に、硬化コンクリートの圧縮強度試験結果を表―7に示します。いずれのセグメントでも良好な打設性を示し、また必要十分すぎるほどの強度を発現しています。

表−6 コンクリート物性試験結果
試験体
No
配合
種別
スランプフロー
(mm)
V漏斗流下時間
(秒)
空気量
(%)
コンクリート温度
(℃)
塩分含有量
(g/m3)
I 石灰石粉 650×630 10.3 2.3 28 0.049
IV 高炉スラグ 610×610 6.1 2.4 31 0.030
V 高炉スラグ 700×700 12.6 1.7 20 0.031
VI 高炉スラグ 650×680 10 2.6 18 0.033
VII 高炉スラグ 650×650 11 2.4 18 0.021
表−7 管理供試体圧縮強度試験結果(φ100×200、単位:N/mm2
試験体No 養生方法
配 合
製品同一 水中
脱型 σ σ28 σ σ28
I 32.3 76.6 88.9 75.2 88.3 石灰石粉
試験体No II、IIIは計測せず
IV 21.1 56.5 66.4 54.2 68.2 高炉スラグ
V 17.8 54.8 70.1 54.3 75.7
VI 18.6 59.0 69.9 55.6 68.1
VII 16.8 57.0 74.3 57.5 75.2

4.2 コア強度の測定(試験体No.IV(高炉スラグ配合)で実施した)

セグメントのコア抜きを行い、コア強度を測定しました。採取コアの一覧を表−8に、コア強度を表−9、10に示します。これより、実際の構造物においても十分な強度がほぼ均一に得られていることを確認しました。

図2

図−2 コア抜き位置図


表−8 採取コア一覧表

コアNO 数  量
圧縮試験用 A-1,A-2,A-3,B-1,B-2,B-3 6本×内・外2=12本
水密試験用 A-4,A-5,B-4 各外側の3本を使用
骨材分布確認用 B-5 1本

注)水密試験および骨材分布確認結果については、耐久性試験項に記載する


表−9 コア強度(材齢28日)
コア
No
直径D (mm)
高さH (mm)
H/D
断面積
(mm2)
圧縮強度
(N/mm2)
1 2 平均 1 2 平均
A-1内 103.55 103.55 103.55 192.55 192.55 192.55 1.86 8421.5 59.3
A-1外 103.55 103.55 103.55 195.00 194.90 194.95 1.88 8421.5 63.5
A-2内 103.50 103.50 103.50 195.40 195.65 195.53 1.89 8413.4 59.4
A-2外 103.55 103.55 103.55 194.50 194.60 194.55 1.88 8421.5 61.2
A-3内 103.55 103.50 103.53 191.35 191.20 191.28 1.85 8417.4 58.1
A-3外 103.55 103.50 103.53 192.30 193.60 192.95 1.86 8417.4 62.4
B-1内 103.40 103.40 103.40 194.45 194.15 194.30 1.88 8397.1 65.3
B-1外 103.40 103.40 103.40 189.30 189.35 189.33 1.83 8397.1 59.1
B-2内 103.40 103.45 103.43 191.35 191.00 191.18 1.85 8401.2 55.5
B-2外 103.45 103.40 103.43 186.90 186.30 186.60 1.80 8401.2 52.0
B-3内 103.45 103.40 103.43 192.10 191.55 191.83 1.85 8401.2 59.9
B-3外 103.45 103.45 103.45 193.30 193.60 193.45 1.87 8405.3 60.1
表−10 コア強度一覧(N/mm2)
位置 平均コア強度
A 列 60.6
B 列 58.7
内 側 59.6
外 側 59.7
全 体 59.7

参考として、同一コンクリートでの管理供試体の圧縮強度を表−11に示します。

表−11 管理供試体強度 (N/mm2)
養生方法 脱型時 σ σ28
水中 54.2 68.2
製品同一 21.1 56.5 66.4

(注意)これらの試験結果は、あくまで今回の試験で得られた結果を記載したものです。得られる結果の最低値や保障値を示すものではありません。

4.3 外観状況観察および充填性確認

打設したセグメントの円周方向及び円中心方向をコンクリートカッターにより切断し、骨材の分布状況、及び継手周りのコンクリートの充填状況を目視により確認しました。
確認の結果、切断面に空洞等は見受けられず、継手金具周辺へのコンクリートの充填は良好でした。さらに、切断面において粗骨材の分布にばらつきは見受けられず、粗骨材は均等に分布されていることを確認しました。
セグメントの外観状況を写真−1、2に、充填性の確認にあたって実施した、セグメントの切断位置を図−3に、その切断面を写真−3に示します。

写真1
写真−1 石灰石粉配合セグメント
写真2
写真−2 高炉スラグ配合セグメント

図3

図3 セグメント切断位置


写真3

写真−3 セグメントの切断面状況

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4.4 耐久性試験

4.4.1 試験項目および試験方法

石灰石粉配合の耐久性試験についてはすでに実施済のため、本耐久性試験は高炉スラグ配合のみを対象として実施しました。表−12に試験項目と試験方法を示します。

表−12 試験項目と試験方法
試験項目 試験方法
(1)透水性試験 インプット法「コンクリートの試験方法(笠井芳夫、池田尚治編著)」に準拠
(2)塩分浸透性試験 JCI SC-5「硬化コンクリート中に含まれる全塩分の簡易分析方法」に準拠。供試体浸せき前、3ヶ月後、6ヶ月後測定
(3)粗骨材面積試験 長径が5mm以上の骨材を粗骨材として、測定対象面積に対しての粗骨材面積和が占める割合を測定
(4)長さ変化試験 JIS A 1129に準じて、材令52週まで測定(測定材齢 1日:基長、1,2,4,13,26,52週)
(5)促進中性化試験 建築学会「コンクリートの促進中性化試験方法」に準拠。材令26週まで測定

4.4.2 耐久性試験結果

今回実施した耐久性試験の結果に既に実施済みの石灰石粉の結果を重ねたものは次のとおりです。図―4に拡散係数および透水係数の比較を、図―5に塩分浸透性試験結果を、表―13に粗骨材面積試験結果を、図−6に長さ変化の試験結果を、図―7に促進中性化の試験結果をそれぞれ示します。

図4

図−4 拡散係数および透水係数の比較



図5

図−5 塩化物イオン浸透状況比較(表面深さ15mm)



表−13 粗骨材面積試験結果
配合の種類 供試体上下 粗骨材面積率(%)
セグメントからのコア採取位置
管理供試体
中央
石灰石粉 上部 25.9 24.0 25.9 25.2
下部 23.9 24.4 22.9 23.7
高炉スラグ 上部 --- 22.7 --- ---
下部 --- 26.3 --- ---

図6

図−6 長さ変化試験結果


図7

図−7 促進中性化試験結果


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5.まとめ

今回、高流動コンクリートをセグメントへ適用した際のコンクリートの諸性状を確認するため、高流動コンクリートの配合試験、及び実物大型枠を使用したコンクリートの打設試験、さらに性能試験として高炉スラグ配合高流動コンクリートの耐久試験を実施しました。得られた知見をまとめると次のとおりとなります。

【配合試験について】

従来から製造実績のある石灰石粉配合に加えて、今回、新たに高炉スラグ配合を設定しました。高炉スラグを使用したセグメントは、従来の硬練りコンクリートでは東京湾横断道路への適用実績があり、その有効性は実証されています。

【打設試験について】

大型型枠を使用して実物大の打設試験を行った結果、施工性については、石灰石粉、高炉スラグ配合共に製造実績のある中・小口径と同等であることを確認しました。また、型枠への高流動コンクリートの充填性や打継目については、脱型後の外観観察において、問題ないことを確認しました。
コア供試体による圧縮強度確認は、強度差はほとんど無く、セグメント全体がほぼ均一の強度を有していることを確認しました。

【耐久性試験について】

本試験の範囲内での高流動コンクリートの耐久性は、在来コンクリートと同等以上の性能を有していることを確認しました。また、セグメントの粗骨材の分布状態から、高流動セグメントの均一性は十分に確保されていることを確認しました。


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